五十番はなぜ神楽坂に2店ある?1957年創業の歴史と運営会社・肉まんの違いを徹底解説
東京・神楽坂の名物として知られる「五十番」の肉まん。ところが、神楽坂を訪れると「元祖 五十番 神楽坂本店」と「神楽坂五〇番 総本店」という、よく似た名前の店が見つかります。どちらも1957年創業の歴史を掲げているため、「同じ店なのか」「運営会社はどこが違うのか」「昔からの味を受け継いでいるのはどちらなのか」と疑問を持つ人も少なくありません。
実際には、五十番の歴史には、事業の分離、のれん分け、運営会社の変更という複数の出来事が関係しています。2026年10月時点の公式企業情報や会社発表を整理すると、両店の成り立ちと現在の運営体制は明確に区別できます。ここでは、創業の経緯から会社の違い、店舗展開、口コミで語られる味の特徴まで、知っておきたい情報をまとめます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 創業の原点:五十番は1957年に神楽坂で創業した中華料理店を起源とし、肉まんなどの持ち帰り販売が名物になるきっかけとなった。
- 現在の違い:神楽坂には「元祖 五十番 神楽坂本店」と「神楽坂五〇番 総本店」があり、それぞれ運営会社と事業の沿革が異なる。
- 2026年の注目点:元祖五十番を運営するD&Dは2025年8月に新工場を稼働。購入時は店名だけでなく、運営会社や店舗所在地も確認したい。
【1957年創業】五十番の歴史は神楽坂の中華料理店から始まった
五十番の原点は、1957年(昭和32年)に東京・神楽坂で創業した中華料理店です。現在の肉まん専門店としてのイメージが強いものの、出発点は中華料理を提供する飲食店でした。
神楽坂五〇番の公式沿革によると、創業当初は多くの調理人を抱えていたため、中華料理店だけで経営を続けることが難しい状況にありました。そこで考案されたのが、肉まんやあんまんなどの中華まんを持ち帰り商品として販売する方法です。
当時は、中華料理店が中華まんを持ち帰り用に販売することが一般的ではなかったとされています。しかし、販売を始めてすぐに人気が出たわけではありません。同社の公式説明では、開始当初の販売数は1日10個程度だったと伝えられています。
転機となったのは、昭和45年(1970年)ごろです。神楽坂五〇番の公式沿革では、週刊誌に取り上げられたことをきっかけに販売数が伸び、神楽坂を代表する店へと成長したと説明されています。
この経緯から分かるのは、五十番の肉まんが最初から有名だったわけではないということです。飲食店の経営を支えるために始めた持ち帰り販売が、結果として店の看板商品になりました。現在の五十番を理解するには、肉まんの人気だけでなく、こうした創業時の商売の工夫にも目を向ける必要があります。
なお、1957年という創業年を共有していても、現在の店舗がすべて同じ会社によって運営されているわけではありません。歴史上の共通の起点と、現在の法人・店舗の運営体制は分けて考えることが大切です。

【歴史年表】事業承継・のれん分けで五十番はどう変わった?
五十番の沿革を読み解くうえで重要なのが、百貨店への出店、製造事業の分離、会社設立、そして2017年の神楽坂での店舗展開です。神楽坂五〇番の公式会社沿革と、元祖五十番を運営するD&DについてのOSGコーポレーションの発表を整理すると、次のようになります。
- 1957年:神楽坂五〇番の公式沿革では、2月1日に先代が有限会社五十番を設立したと記録されている。
- 1983年:百貨店への出店を目的として、有限会社神楽坂五十番を設立。
- 1997年:神楽坂本多横町の工場を先代から譲り受け、有限会社神楽坂五十番として分離独立営業を開始。
- 2015年:株式会社神楽坂五十番を設立。同社の沿革では、同年に百貨店での販売事業と工場の製造事業を譲り受けたと記録されている。
- 2017年:元祖五十番神楽坂本店はD&Dによる運営を開始。同年12月10日には、神楽坂五〇番の総本店も創業地に開店した。
- 2023年:株式会社神楽坂五十番は、5月10日に株式会社神楽坂五〇番へ社名を変更。7月にはOSGコーポレーションがD&Dを子会社化したと発表した。
- 2025年:D&Dが神奈川県秦野市に新工場を建設し、8月から稼働を開始した。
ここで押さえたいのは、2015年ののれん分けと、2017年に現在の2店舗が並び立つようになった経緯は、同じ出来事ではないという点です。
神楽坂五〇番の公式説明では、2015年にのれん分けを行い、2017年に創業地で総本店を開店したとされています。一方、OSGコーポレーションの発表では、元祖五十番を運営するD&Dは、1957年創業の五十番に食材を提供してきた商社を前身とし、2017年から「元祖五十番神楽坂本店」を運営していると説明されています。
つまり、現在の2店は単に同じ会社が支店を増やした関係ではありません。それぞれ異なる事業の経緯を持ち、現在は別会社として運営されています。創業年が同じだからといって、法人や店舗の運営まで同一だと考えると、混乱しやすいのです。
【運営会社を比較】神楽坂の五十番2店は何が違う?
神楽坂で比較される主な2店は、「元祖 五十番 神楽坂本店」と「神楽坂五〇番 総本店」です。どちらも1957年創業の五十番の歴史と関係がありますが、現在の運営会社、店舗所在地、会社が公表している事業の沿革は異なります。
公式サイトと企業発表で確認できる情報を比較すると、違いは次のとおりです。
| 比較項目 | 元祖 五十番 神楽坂本店 | 神楽坂五〇番 総本店 |
|---|---|---|
| 運営会社 | 株式会社D&D | 株式会社神楽坂五〇番 |
| 現在の店舗所在地 | 東京都新宿区神楽坂6丁目4番地 | 東京都新宿区神楽坂4丁目3番地・近江屋ビル1階 |
| 事業の沿革 | 五十番に食材を提供してきた商社を前身とし、2017年から元祖五十番を運営 | 先代からの事業を受け継ぐ系譜を掲げ、2015年にのれん分けを実施したと説明 |
| 現在の経営体制 | 2023年にOSGコーポレーションが子会社化を発表 | 2023年5月10日に株式会社神楽坂五〇番へ社名変更 |
| 主な商品・特徴 | 元祖肉まんをはじめ、多様な中華まん・点心・中華総菜を販売 | 手包みの肉まん・点心を中心に、国産素材へのこだわりを掲げる |
特に注意したいのは、「事業承継」という言葉の意味です。事業承継には、会社そのものを引き継ぐ場合、製造設備や販売事業を譲り受ける場合、技術や屋号を受け継ぐ場合など、複数の形があります。
神楽坂五〇番の会社沿革では、販売事業と製造事業の譲受がそれぞれ記録されています。一方、D&DについてOSGコーポレーションが公表した説明は、五十番に食材を提供してきた商社を前身とする経緯と、2017年からの店舗運営を中心としています。
したがって、2店の関係を「同じ会社が分裂しただけ」と単純化するのは正確ではありません。創業のルーツには共通点がありますが、現在の運営会社や事業の引き継ぎ方は別々に確認する必要があります。
また、「元祖」という表記だけを見て、現在の法人関係や事業承継の経緯まで判断するのも避けたいところです。店名の歴史的な意味と、現在の会社情報は別の情報だからです。

【2026年最新】五十番の現在と運営会社の動向
2026年現在、五十番をめぐる動きで注目されるのは、2つの運営会社が異なる形で事業を展開していることです。神楽坂五〇番は素材や手作りへのこだわりを掲げ、D&Dは生産体制の拡充を進めています。
株式会社神楽坂五〇番の公式会社概要によると、同社は中華総菜の製造販売を事業とし、神楽坂の総本店を運営しています。公式店舗情報には、JR飯田橋駅の改札内にあるエキュートエディション飯田橋店も掲載されています。また、会社概要では大丸東京店や全国のスーパー、JR東日本関連の催事での販売についても紹介されています。
同社は、国産豚肉や国産野菜などの素材にこだわり、手包みで中華まんを製造する姿勢を示しています。鹿児島県の工場は2022年に稼働を開始し、同年8月にはHACCPに基づく食品安全マネジメントシステムの「JFS-B規格」認証を取得したと公表しています。
一方、株式会社D&Dについては、親会社であるOSGコーポレーションの2023年7月の発表が重要です。同社はD&Dの株式を取得して子会社化し、発表時点の株式保有割合を70.06%と公表しました。飲食関連事業の拡大や、グループが持つフランチャイズ展開のノウハウの活用を目指す内容でした。
さらに、OSGコーポレーションは2025年8月、D&Dが神奈川県秦野市に新工場を建設し、稼働を開始したと発表しています。発表によると、新工場はHACCPに対応した設計・運用を採用し、生産能力は従来の約10倍に向上しました。
これは、元祖五十番の事業が、神楽坂の店舗だけにとどまらず、製造能力の増強や販路拡大を視野に入れた段階にあることを示しています。ただし、新工場の稼働だけを理由に、すべての店舗で商品やサービスが変わったと判断することはできません。
2026年に店舗を訪れる場合は、公式サイトで店舗の営業状況を確認するのが確実です。とくに百貨店や駅ナカの売り場、催事会場は、常設店とは営業時間や販売商品が異なる場合があります。
【評判を検証】五十番の肉まんは何が違う?口コミから見える特徴
五十番の肉まんを比較する際、運営会社の違いと並んで気になるのが味や食感です。両店は同じルーツを持つものの、現在の商品はそれぞれの会社が製造・販売しているため、同じ商品として一括りにはできません。
口コミでは、元祖五十番の肉まんについて、具材のボリュームや肉汁、厚みのある皮を評価する声が見られます。一方で、餡の味が濃い、塩味が強く感じられる、肉汁が多く食べる際に注意が必要といった感想もあります。
神楽坂五〇番についても、大きな肉まんや、ふっくらした皮と具の組み合わせが特徴として紹介されています。素材や製法へのこだわりを評価する声がある一方、食感や味の好みは購入者によって異なります。
口コミは、商品の魅力を知るための参考情報です。ただし、投稿者の好みや食べた商品、購入時期、温め方によって印象が変わるため、評価の数字だけで優劣を決めるのは適切ではありません。
実際、2026年10月時点に参照できる食べログの掲載情報では、元祖五十番神楽坂本店は3.48、神楽坂五十番総本店は3.35という評価が確認できます。ただし、これらは各店舗の口コミに基づく掲載値であり、評価の母数や投稿内容も異なります。数字の差が、そのまま味の優劣を意味するわけではありません。
また、肉まんは購入直後に食べるのか、持ち帰って温め直すのかによっても食感が変わります。元祖五十番の口コミには、自宅で蒸し直したところ、皮がふっくら仕上がったという感想もあります。冷蔵・冷凍の商品を購入する場合は、各商品の説明に沿って温めることも大切です。
初めて購入するなら、次のような基準で選ぶと、自分の好みに合う商品を見つけやすくなります。
- 肉の存在感や肉汁を重視する人:元祖五十番の肉まんを候補にし、サイズや餡の味付けを確認する。
- 素材や手包みへのこだわりを重視する人:神楽坂五〇番の商品説明を確認し、定番の肉まんや点心を選ぶ。
- 家族へのお土産や贈答用にしたい人:持ち運び時間、冷蔵・冷凍の別、保存方法、詰め合わせの内容を比較する。
- 昔食べた五十番の味を探している人:当時の購入場所や商品名を思い出し、現在の店名と運営会社を照合する。
味の違いを確かめたい人には、同じ日にそれぞれの看板商品を購入して食べ比べる方法もあります。皮の厚さ、餡の量、肉汁、味付けなど、比較するポイントを決めておくと、単なる知名度や口コミの点数に左右されず、自分に合う店を選びやすくなります。

【プロの結論】五十番を間違えずに選ぶための見分け方
五十番を調べる際に最も重要なのは、創業の歴史と現在の店舗運営を切り分けることです。1957年創業という共通のルーツがあっても、2026年現在は複数の事業者がそれぞれのブランド名で商品を販売しています。
まず、神楽坂で購入するなら、店名を正確に確認しましょう。「元祖 五十番 神楽坂本店」は神楽坂6丁目4番地、「神楽坂五〇番 総本店」は神楽坂4丁目3番地です。所在地が異なるため、目的の店舗を地図や公式店舗情報で確認してから訪れると安心です。
次に、運営会社を確認します。元祖五十番は株式会社D&D、神楽坂五〇番は株式会社神楽坂五〇番が運営しています。オンラインで購入する場合も、販売サイトの会社概要や商品名を確認すれば、どちらの商品を注文するのかを判別できます。
さらに、目黒五十番など、名称に「五十番」を含む別の店舗もあります。目黒五十番の公式沿革では、創業者が神楽坂の五十番に関わった経緯と、目黒で店舗を始めた歴史が紹介されています。ただし、現在の店舗を一つの運営会社の支店として扱うことはできません。歴史的なつながりと、現在の経営上の関係は分けて考える必要があります。
この問題は、老舗の飲食店が長く営業するなかで、屋号、製造技術、店舗、会社組織が別々に受け継がれることがある、という構造を示しています。店名の継続はブランドの歴史を知る手がかりになりますが、それだけでは現在の運営主体や商品の製造元までは分かりません。
昔ながらの味を探している人は、過去に購入した店舗や商品名を確認することが先決です。初めて五十番の肉まんを食べる人は、どちらか一方を「正解」と考える必要はありません。商品や素材へのこだわり、味の傾向、店舗へのアクセス、持ち帰りやすさなどを比べ、自分の目的に合う店を選ぶのが合理的です。
【五十番】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:五十番は1957年創業で間違いありませんか?
A1:はい。神楽坂五〇番の公式沿革では、1957年2月1日に先代が有限会社五十番を設立したと記録されています。元祖五十番の運営会社であるD&Dについても、OSGコーポレーションの公式発表で、1957年創業の五十番に食材を提供してきた商社を前身とすると説明されています。
Q2:神楽坂に五十番が2店あるのはなぜですか?
A2:事業の分離やのれん分けなどを経て、別々の会社がそれぞれ店舗を運営しているためです。現在の主な2店は「元祖 五十番 神楽坂本店」と「神楽坂五〇番 総本店」で、運営会社も店舗所在地も異なります。
Q3:元祖五十番と神楽坂五〇番の運営会社は同じですか?
A3:異なります。元祖五十番神楽坂本店は株式会社D&D、神楽坂五〇番総本店は株式会社神楽坂五〇番が運営しています。D&Dは2023年にOSGコーポレーションの子会社となったことが発表されています。
Q4:五十番の肉まんは、どちらがおいしいですか?
A4:味の好みによります。口コミでは、元祖五十番は具材のボリュームや肉汁、神楽坂五〇番はふっくらした皮や素材へのこだわりなどが話題になります。口コミ評価だけで判断せず、食感や味付け、サイズなどを基準に選ぶのがおすすめです。
Q5:2026年現在、元祖五十番の運営会社に変化はありますか?
A5:D&DはOSGコーポレーションの連結子会社として事業を展開しています。2025年8月には神奈川県秦野市の新工場が稼働し、同社発表では生産能力が従来の約10倍に向上しました。店舗や商品については、最新の公式案内を確認してください。
まとめ:五十番の歴史を知れば、店選びで迷わない
五十番は、1957年に神楽坂で創業した中華料理店を起源とする、中華まんの歴史あるブランドです。肉まんの持ち帰り販売から知名度を高め、その後の事業分離やのれん分け、運営会社の変化を経て、現在は複数の事業者がそれぞれの店舗を展開しています。
神楽坂の「元祖 五十番 神楽坂本店」と「神楽坂五〇番 総本店」は、名前が似ていても同一店舗ではありません。前者は株式会社D&D、後者は株式会社神楽坂五〇番が運営しており、商品や製造体制にも違いがあります。
2026年は、D&Dの新工場稼働後の展開も注目される時期です。一方、神楽坂五〇番も、素材や手作りの製法を重視しながら店舗や販売チャネルを展開しています。
購入時に迷ったら、店名、運営会社、所在地、商品説明の4点を確認しましょう。創業の歴史を知ったうえで、それぞれの肉まんを食べ比べれば、神楽坂の名物をより深く楽しめます。 (出典: 五 十 番(Yahoo!ニュース))